日本人の評価で効いていた顔の特徴

「どんな顔が好まれるのか」は語られ方が多い割に、数字で確かめられている ことは多くありません。ここでは、日本人73名が魅力度を評価した顔写真100枚を使い、 顔のどの比率が評価と結び付いていたかを実測した結果を出します。

使ったデータ

公開データセット(Sano 2026, PsyCh Journal)の顔写真のうち、アジア系100枚を使いました。 それぞれの顔には日本人評価者73名の魅力度評定が付いています。

この100枚から顔のランドマークを478点検出し、31項目の比率を計算して、 評価者の平均点との相関を1項目ずつ見ています。撮影条件は統制されていて、 全員が正面・無表情です。

効いていた特徴

相関が強かった順に並べます。値が ±1 に近いほど強く、0 に近いほど関係がありません。

日本人評価者の平均点との相関(アジア系100枚)
測った比率相関向き
顔に対する目の面積+0.44顔の大きさに比べて目が大きいほど、評価が高い
目の縦横比-0.42横幅に対して縦に開いている目ほど、評価が高い
顔幅に対する目の幅-0.37顔の幅に比べて目が横にも大きいほど、評価が高い
目尻の角度+0.32目頭より目尻が上がっているほど、評価が高い
あご先の角度-0.31あご先の角度が鋭い(シャープな)ほど、評価が高い
エラの張り-0.30顔幅に対してエラが狭いほど、評価が高い
中顔面と下顔面の比+0.28顔の下半分が相対的に短いほど、評価が高い

上位3つはすべて目に関する項目で、しかも同じことを言っています。 測り方の違う3つの比率が揃って「顔に対して目が大きいほど高い」を指しており、 単独の項目のブレではなさそうです。

次に来るのが輪郭で、あご先が鋭くエラが狭いほど、そして顔の下半分が 相対的に短いほど評価が高くなっていました。

左右対称性はほとんど効いていませんでした

「左右対称な顔は美しい」はよく言われます。同じデータで測ったところ、 対称性に関する5項目はどれも相関がほぼゼロでした。

対称性の項目と評価の相関(アジア系100枚)
測った比率相関向き
口角の高さの左右差+0.11ほぼ無相関
顔の中心線のずれ+0.05ほぼ無相関
輪郭の左右差-0.05ほぼ無相関
眉の高さの左右差-0.01ほぼ無相関
目の大きさの左右差-0.10ほぼ無相関

それどころか、対称性の項目は別の問題を抱えていました。輪郭の左右差は 頭の向き(ヨー角)と相関 0.96 で連動していたのです。つまり顔の非対称さではなく、 「写真で少し横を向いているか」を測っていたことになります。

この状態で学習させると、係数が「左右差が大きいほど高得点」と反転し、 斜めを向いた写真ほど高く出る採点になっていました。Hensache では対称性の5項目を 採点から外しています。外しても精度は落ちず、むしろ改善しました。

この数字の読み方

これは1項目ずつの単純な相関です。他の項目の影響を差し引いたものではないので、 たとえば「目が大きい顔は同時に顔が小さい傾向がある」といった重なりは分離できていません。 相関があることと、それが原因であることも別の話です。

100枚という枚数も、順位を確定させるには十分ではありません。上位と下位の 大まかな違いは読めても、0.44 と 0.42 の差に意味を持たせるのは無理があります。

そして何より、これは73名の平均が示した傾向にすぎません。評価者が変われば 結果も変わります。実際、同じデータで40歳未満と40歳以上の評価の一致度は 0.53 しかありませんでした。世代が違えば好みも違うということです。

骨格は生まれつきのもので、変える必要のあるものではありません。ここに挙げたのは 「集団の平均が示した傾向」であって、目指すべき形ではないという点だけは、 はっきりさせておきたいと思います。

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